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「―――――――だにゃ」 「猫の怪異が語尾に『にゃ』をつけるなんてわかりやすいことをするわけがない!」 「じゃあいつものご主人様の喋り方がいいのかにゃ? 『阿良々木くん、私を抱いて』」 「な、なに言ってんだよ! いきなり雰囲気変わりすぎだ!」 「それがご主人様の本心だにゃ。 『私を見て。 私のことをいつも見てほしい。 春休み、あんな出会い方だったけれど私は運命を感じた。 私は阿良々木くんのことが好き。 ずっと一緒にいたい。 だから私をもっと見て、これからもずっと隣にいてほしい』」 「羽川がそんなことを思っているはずはないだろ!?」 「どこまで鈍感なヤツにゃんだ? 吊り橋効果じゃにゃいけれど、ご主人様とお前は恐怖を、吸血鬼と対峙する恐怖を共有したにゃ。 普通なら死んでもおかしくはない状況、それだけで十分だにゃ。 人生に大きな影響を与えるほどの出来事だったんだにゃ」 「じゃ、お願いします」 「にゃ、にゃにを言ってるんだにゃ?」 「いや…だから…ずっと一緒にいてください。お願いします」 「お前バカだにゃ? お前には彼女がいるにゃ?」 「う~ん、じゃあ三人で仲良く?」 「そんなことできるわけにゃい………にゃ?……ご主人様は喜んでるみたいだにゃ……」 戻る
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ドドドド・・・ と凄まじい威圧感を放ちながらブラフォードは困っていた 長髪の大男が威圧感を撒き散らしていたらきっと誰でも引くだろう 「あ・・・あの・・・ど・・・どうかなさ・・・なさいました?」 「ん?ああ・・・どこで洗濯をすればいいのかわからないのだが」 「え・・えーっと・・・・こ・・・こちらです」 その後 ここ(トリステイン魔法学校)で仕えているメイド、シエスタの案内により第一の任務を終えた 後ブラフォードはルイズが居る教室を探していたがご主人様の爆発に巻き込まれ ブラフォードの髪の毛が軽傷!デブが一人リタイヤ! 「ところで何故教室で爆発があったのだ?何かが襲撃してきたり誰かが喧嘩でもしたのか?それと なんで俺だけが掃除しなければならないのだ?」 「か・・・関係ないわよ!それにあんたは使い魔!ご主人様の命令を無理にでも聞きなさい!」 もしやルイズが爆発を起こしたのかと思ったブラフォードだったがあえた言わなかったのは 本人なりのやさしさであった 何故か動いた髪の毛により掃除もすぐに終わりルイズとブラフォードは灰色の搭もびっくりな スピードで食堂に向かった。ちなみにこのブラフォードは召還されてから何も食べてないので そろそろ何かを食べないと餓死しそうであった 「なかなか豪華だな・・・ところで俺の席はどこだ?」 ブラフォードがその言葉を口にした瞬間 「あら?本当は平民はこの食堂には入れないのよ?」 「そこから先は言わないでくださいご主人様、もうわかっています俺の分はあれでしょう?」 ブラフォードが指をさした先にあったのは・・・消し炭に見えるパンと濁った水(スープ)だけであった 「あら物分りがいいじゃない?」 最高にハイになりそうなルイズと大型犬に囲まれたチワワのように縮んでいるブラフォード 何かがおかしいようだが気にしてはならない ガシャン!という音がなった ダイアーさんなら明らかにこの後薔薇を投げそうだがギーシュは違った!(二つバシンとなっただけだが) 「な・・・何をするだァッー!!!ゆるさーん!!!」 「ひっ・・・!すみません!すみません!」 ひたすら頭を謝るシエスタ まぁ悪いのは勝手に香水を落として割って 二股がバレたギーシュが悪いのだから 「あの子はさっきの・・・」 と思ったときにはすでにブラフォードはギーシュに回し蹴りを食らわせていた! 「あべしッ!」 そしてでんせつがはじまった
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402 名前: お姫様の憂鬱 [sage] 投稿日: 2007/09/24(月) 00 51 16 ID RYn9H+bN それは、小さな体に潜むほんの小さな恋心。 あの人は、私を救ってくれた。氷のような私を、溶かしてくれた。 だから私は誓った。私は従者。私はあの人のために生きる。あの人に、全てを捧げる。私は、あの人のためなら何でも出来る。 あの人のために生きる私は、あの人が幸せであればそれでいい。たとえ誰を好いていようと、あの人が幸せであれば、それでいい。……それで、いい。 授業中だけど、私はあの人の横顔を見る。暇そうな表情で、時折欠伸をしているあの人。欠伸をしたことをご主人様に注意されている人。あの人は笑いながら謝ってて、あの人のご主人様は怒ってる。 でも、私にはわかる。彼女は本気で怒ってない。彼女自身と、あの人に恥を掻いてほしくないから怒っただけ。たぶん、あの人は気づいてない。 あの人、嬉しそう。ご主人様と話をして、とても嬉しそうな表情をしてる。それは私にとっても嬉しいこと。でも、少し胸が痛む。 ううん、駄目。我慢しなきゃ駄目。私は、あの人の幸福のためにある存在。そんな私が、あの人の幸福の邪魔をしちゃ駄目。だから私は、この胸のモヤモヤにも耐える。 あの人が幸せであればそれでいいんだから。あの人が幸せであれば、私はどうなっても構わない。 私は従者。私があの人を守る。その為だったら、私がどんな風になっても構わない。 あ、いつの間にか授業が終わってた。あの人を見てると、すっかり時間の流れが早くなる。 「今日も見てたのね」 見られてたみたい。声の主は、私とは逆の豊満な体を持つ赤い髪が特徴のトライアングルメイジ。私の親友。 「健気ね……彼には相手がいるっていうのに」 わかってる。 「叶わぬ恋かもしれないのよ?」 え? 「それでもいいなら、私は応援するけどね」 ありがとう。……じゃなくて、別に私はあの人とそういう関係になりたいわけじゃない。ただ、あの人の幸せを守りたいだけ。 私の親友は、それがわかってないみたい。私があの人を狙ってるって思ってる。そんなんじゃないのに……。 確かに少しはそういう思いもあるけれど、私が一番に願ってるのはあの人の幸せ。好きな人と一緒に、好きな風に生活を送ること。少しくらい夢も見たりするけれど、それ以上に私が願うのはそれ。 403 名前: お姫様の憂鬱 [sage] 投稿日: 2007/09/24(月) 00 52 22 ID RYn9H+bN 「この犬ーーーーーー!!!」 突然聞こえてきたのは、あの人のご主人様の叫び声。その後すぐに、あの人の悲鳴と爆発音。たぶん、いつもどおりの折檻。折檻に伝説の力を使うなんて、ずいぶん無駄な使い方だと思う。 大丈夫かな? あの人、無事でいるかな? あの爆発音が聞こえてくるたびに、私は心配になる。怪我とかしてなければいいんだけど。 声と爆発音が聞こえてきたのは広場から。私は窓から、広場の様子を見る。 やっぱり……。 あの人は、ボロ雑巾みたいに倒れてる。そして倒れてるあの人を、そのご主人様はこれでもかというほど蹴ってる。 許せない。 折檻が終わって、あの人のご主人様は怒りながら自分の部屋に戻っていった。あの人は気絶して、意識を取り戻してない。 どうしてそんな痛い目にあってまで、あの人はついていくんだろう。どうして痛い思いをしてまで、あの人はついていくんだろう。 ううん、わかってる。疑問に思うのが間違ってるくらい。 あの人は、優しいから。あの人は、とても優しすぎるから。だから守ろうとする。だから自分の身を犠牲にしても、守ろうとする。 でも、あの人がご主人様を守るのは少し理由が違う。使い魔というだけだからじゃなく、別の感情があるから……。 ……また、胸が痛んだ。 あの人は、今が一番幸せ。痛い思いをしても、ご主人様と一緒にいられるのが幸せ。 でも……。 もしも……それが幸せでなくなったなら……。 私が……。
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ソウタロウ 【夢みてナイト! -The night of beautiful dreamer-】【Studio Ring】(2005-04-15) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart8 708 名前:名無したちの午後 :2007/02/02(金) 18 39 14 ID 2VlVFxul0 なんか、色々報告 ≒の製品版詳細 【夢みてナイト!】 【Studio Ring】 主人公 我望宗太郎(ガモウ ソウタロウ)…姓名ともに変更可、デフォなら呼ぶ りりこ (cv百花ルナ) 宗太郎さん、先生、ご主人様、兄さん、宗太郎ちゃん 神流木凪沙(cv紬叶慧) 宗太郎、お兄ちゃん、先輩、ご主人様 有栖川はるか(森川陽子) 我望くん 、お兄様、先生、宗太郎さん、宗太郎先輩(1回)、先輩 全国の「ガモウ」さん、「ソウタロウ」さん、改めてオメデトンヽ(´ー`)ノ
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PREV:第8話 中編 NEXT: ストーリー あ、こんなところで奇遇ですね【プレイヤー】さん マジシャン ミリア あ、待ってください逃げないで!今日はマジックじゃないですし! マジシャン ミリア 実は相談を… マジシャン ミリア 誰に相談していいかわからなくて考えに考えた結果… マジシャン ミリア 【プレイヤー】さんしかいないのではないか、とそう思い至りました マジシャン ミリア ……偶然見つけたからと嘘ついているわけじゃないですよ?本当に、そう思ったわけで…… マジシャン ミリア ………………………… マジシャン ミリア まぁまぁいいじゃないですか細かいことは! マジシャン ミリア で、相談なんですけど……私、知っての通り、マジックの腕ってイマイチじゃないですか マジシャン ミリア ………………………… マジシャン ミリア ……自分で言っていて胸が痛くなりました…… マジシャン ミリア ともかく、そんな感じな理由って……私じゃなくてお師匠様にあるのではないかと マジシャン ミリア 確かに大魔術師と呼ばれたマジック界では知らぬ者のない凄い人……らしいんですけど マジシャン ミリア 実は、あまりきちんとマジックを教えてもらった事がなくて…数えるぐらい……でしょうか マジシャン ミリア それも簡単なものか本を渡されてこれで勉強しろと…それだけで、あんまり…その…… マジシャン ミリア それで、ひょっとして……と思いまして…… マジシャン ミリア 【プレイヤー】さん、どう思います? マジシャン ミリア ミリアさんは誤解なさっています メイド チロル チロルさん!?何故、ここに!? マジシャン ミリア ミリアさんの顔色が優れなかったので念のため後を付けてきました メイド チロル …………………… マジシャン ミリア ご主人様はあなたにマジックを教えるために努力なさっています メイド チロル ……でも…… マジシャン ミリア ご主人様が行うのは大魔術、そのため派手なものばかりです メイド チロル ……はい マジシャン ミリア ですがそれをあなたにいきなり教える事はできないとして、あえて、改めて メイド チロル ご主人様は初心者用の手品を勉強なさっているんですよ メイド チロル 私のために……わざわざ……? マジシャン ミリア はいご主人様の部屋の棚をご覧になった事がありますか? メイド チロル …デュエマ関係の書籍がたっぷり…… マジシャン ミリア ………………………… メイド チロル 最近は…そうですねかなりの量の書籍が増えて、本棚にありますね… メイド チロル お師匠様、お金あるからデュエマで検索して出てきた本を全部注文してるみたいですし…… マジシャン ミリア ……大人の本気は凄いですよ メイド チロル あんまり強くないですけどね マジシャン ミリア 本人が楽しんでいるのですからそれでよろしいかと勝つだけがデュエマじゃないです メイド チロル そうですね買って満足して読んでないだけだと思いますけども マジシャン ミリア 正論は時に人を傷つけます…ミリアさん、ご主人様の前では言わないように メイド チロル あ、はい、気をつけます……で、何の話でしたっけ? マジシャン ミリア ミリアさんのためにご主人様は努力している、という話です メイド チロル それなのに、まるでご主人様は何もしてくれない、というのは失礼ではないかと メイド チロル …………そうですねそうかもしれません マジシャン ミリア 顔を合わす度にデュエルを申し込まれるばかりで全然何も教えてくれないですけど マジシャン ミリア それでもお師匠様は私のために…ダメなのは私の方……ですよね マジシャン ミリア …最近のご主人様は少しダメかもしれません… メイド チロル …………………… マジシャン ミリア 元気を出してください メイド チロル ………………はい マジシャン ミリア …………………… メイド チロル では、私から一つ、元気の出るマジックを一つ メイド チロル え? マジシャン ミリア ここに【プレイヤー】さんがおられますね? メイド チロル はい、いますよ? マジシャン ミリア デュエル、なさってください元気になりますよ メイド チロル はい? マジシャン ミリア 良きデュエリストというのは勝敗に関わらず人を元気にする力を持っています メイド チロル そうなんですか!? マジシャン ミリア はい、是非デュエルしてみてください メイド チロル 【プレイヤー】さんすみませんが、お願いいたします メイド チロル 勝利時 うわー強いですー! マジシャン ミリア …ですが、気分はスッキリしたのではないですか? メイド チロル …確かに、言われてみると何だか、胸に温かさだけがあるというか…はい マジシャン ミリア 何ででしょう、私、マジックをもっと頑張ろうって思います マジシャン ミリア はい、そうですねあなたならいずれご主人様を超える大魔術師になれますよ メイド チロル ありがとうございます【プレイヤー】さんも マジシャン ミリア 未来の大魔術師ミリアこれより屋敷に戻り、特訓に励みたいと思います、それでは! マジシャン ミリア ……お手数かけました感謝いたします メイド チロル 今彼女に言った事ですか?すべて本当ですよ メイド チロル ご主人様は本来弟子を取るような方ではないのです メイド チロル ですが、押しかけてきたミリアさんの勢いに負けて弟子に… メイド チロル お優しい方なんです メイド チロル ミリアさんに教えるためだけにこっそり誰でもできるマジックを練習しているんですから メイド チロル …まぁ、それですらミリアさんはできないんですけども… メイド チロル ともかくそんなご主人様の姿をマジック業界の人が知ったら相当に驚かれるはずですよ メイド チロル 私のご主人様――大魔術師アドマといえば忽然とビル一棟を消しさったり メイド チロル 夜空に突如として巨大な龍を泳がせたとか メイド チロル 街を一つ照らし出す程の炎を空に放ったという伝説を持つ有名な方で―― メイド チロル ………………………… メイド チロル …あの、失礼ですがお話はここまでにいたしましょう メイド チロル いえ、大した事ではないというかある意味でいつもの事なのですが……その…… メイド チロル お屋敷の方から炎と煙が上がっていますので… メイド チロル 多分、ミリアさんの失敗かと メイド チロル 消火活動がありますので、この辺で、それでは メイド チロル …ミリアさんが過度なやる気を持つのは危険ですね… メイド チロル 敗北時 勝ちましたー! マジシャン ミリア どうですか、ミリアさん元気が湧き出てきたでしょう? メイド チロル はい!おかげさまで! マジシャン ミリア 何か、万能感というか、今なら何でもできそうな気がしてきました! マジシャン ミリア これまで全部失敗している爆炎マジックも今なら…できるかもしれません! マジシャン ミリア …………もう一戦しましょう メイド チロル え?でも、もう元気に…… マジシャン ミリア もう一戦、いたしましょう【プレイヤー】さんしたいですよね? メイド チロル …【プレイヤー】さんあのマジックはダメです メイド チロル 危険です…街が メイド チロル 何とか気をそらしてくださいむしろ彼女のやる気をへし折るぐらいにやってください メイド チロル ……お願いしますよ?それでは、デュエマ・スタートです! メイド チロル PREV:第8話 中編 NEXT:
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伝説のスパイ 1/29 19 16に黒豚鯖にやってきた VIP帝国→緑(2/5現在) 彼が居る限り会議室の内容は全て筒抜けになる
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最高で最低の奴隷Ⅲ 嘲笑われた常識 第2話 図書館、つまりそこは書物と言う情報媒体の一つが多量に置かれた場所を示す。 そこに行く目的は様々で、小説、文庫、漫画などの娯楽を楽しむ者や、何か調べ物をする者、もしくはこの静かな環境を利用して勉強する者などがいる。 そして、彼らはその最後に当てはまった。 「何、これは僕に対する挑戦か何かなの?」 笑顔のまま、しかし声に怒気を込めて、セリスは自らの主に呟く。 「な、何よ。あたしだってがんばったんだからね」 ミリアの方も精一杯反論するが、その言葉に力はない。 彼女の今の姿を一言で言うならば、受験にテンパッタ受験生だろう。 頭には合格必須と書かれたはちまきが巻かれており、どてらを着込み、机の上には大量の教科書と資料集が置かれていて、その横には各種栄養ドリンクが配置されている。 目は血走っており、櫛を入れられない髪がボサボサになっていた。 「がんばった? ははは、これを努力というのか? これは研鑽だったのか? そうかそうか、そうだったんだね。うん、その結果が―――」 セリスは乾いた笑いを上げると、紙の束を机に叩き付ける。 「これなんだね」 叩き付けた紙の束、その全てに赤ペンで大きく0の文字が印字されていた。 「ねえ、ご主人様、冗談だよね。仮にもこの魔王たる僕が教えてるんだよ。それがなぜ0点しか取れないの? 嘘でしょ。冗談でしょ。ふざけているだけだよね。て言うか、最後の奴は全部同じ問題なんだよ」 相手を責めると言うより、自分が現実逃避するためにセリスは呟く。 「――それに、あれでもちゃんと授業に付いてきてるんだよ」 そう言ってあれを指し示す。 「………あれってお前な」 指さされた『あれ』が、何やら不満げな声を上げたがセリスは無視した。 「くそ、やっぱり基礎の復習をもっと念入りにやった方が良かったのか―――」 「あのな」 「それよりやっぱり、数学の計算力を付けるべきか―――」 「いい加減、無駄な事は」 「睡眠学習を取り入れた方がいいか、休眠中の海馬にパルス信号を送って―――」 「人生諦めも肝心だぞ」 「いっそ、脳味噌を改造するか八割方廃人になるけど」 「いや、だからこれだけやっても無駄って言うか、お前より長い付き合いだがそれがどれだけ不毛な事か分かっているつもりなんだが」 「…………っ、うるさいっ!!」 セリスは机に拳を叩き付けた。 その衝撃で積み上げられた、教科書が崩れ落ちるが誰も気にしない。 「今、ご主人様の馬鹿を直す対抗策を考えているんだから邪魔しないでよっ!!」 並の人間なら失神しそうな殺気を放っているが、シルスはまるで哀れむような視線をセリスに向ける。 「あのな、ミリアはただの馬鹿じゃないんだぞ。なんてたって、数学の教師が『お願いですから、真面目にやってください』って、土下座するぐらい馬鹿なんだぞ」 「そんな事は分かっているよっ!! この馬鹿さ加減が世界遺産的なんて事はとうの昔にっっ!! だけど馬鹿にだって努力する権利はあるんだよっ!!」 「いや、努力でどうにかなるレベルじゃないし。この馬鹿レベルは」 「ご主人様は、確かに馬鹿レベル百の大馬鹿かもしれないけど、それだって魔王の僕に治せない訳無いじゃないかっ!!」 「治せるのか? この馬鹿を」 「…………………………」 微かに光明を見つけたようなシルスの視線から目を逸らし、セリスはミリアの方に視線を向けた。 「………………………………………と、ともかくどんな大馬鹿でも、僕のご主人様なんだから、絶対頭脳明晰になって貰わなくちゃ困るんだよっ!!」 机に突っ伏して頭を抱える主からさりげなく視線をはずし、セリスは断言する。 「いや、いくら何でもミリアの馬鹿は治らないと思うげふぅっ!」 分厚い百科事典で顔面を殴打されてシルスはひっくり返った。 650 名前:虎の子 投稿日:2006/01/03(火) 00 02 46 ID faSFPqkb 「…………さっきから聞いていれば人の事を馬鹿馬鹿って」 ゆらりと幽鬼の如くミリアが机から立ち上がる。 「何、あんた達あたしの事をそんなに馬鹿にしたいの? 三日三晩一睡もさせずにこんな所に缶詰にして、それで口を開けば馬鹿だのアホだの―――」 「いや、事実だしぐふぇっ!!」 的確な意見を呟いたシルスののど元に分厚い教科書が叩き付けられる。 「あたしだって、がんばったわよ。努力したわよ。だけど仕方ないじゃない。頭が悪いのは生まれつきなのよ」 下を向きながら肩を振るわせ、その紅い髪を亡霊の如く垂れさせる。 「それをあんた達は、馬鹿馬鹿っていい加減あたしも我慢の限界よ」 (いや、待て、なぜそこで分厚そうな本を両手に持つ?) 声帯が麻痺しているためシルスは心の中で突っ込んだが、無論そんな物はミリアには届かない。 何やら、幼なじみの背後にどす黒い闘気のような物が立ち上がるのをシルスは確かに見た。 (ま、待て落ち着け、) 声が出ないため心の中で叫ぶが、ミリアに心を読む力など無い。 シルスの思いも虚しく、ミリアは腕を振りかぶった。 「それでも我慢して、大嫌いな勉強を続けてるのよ。それなのにあんた達はあああああああああああぁぁぁぁぁっ!!」 絶叫と共に本を投擲、しかも此処は図書館、投げるべき物には事欠かない。 とってもお偉い学者が書いた分厚い論文が、辞典が、図鑑が次々宙を舞いシルスに激突する。 著者達も自分が書いた物が凶器として使われるとは思いもしなかっただろうが、その巨大さと質量と形の破壊力は武器として申し分ない。 かくして、物理的攻撃力に変換されたミリアの怒りは、その全てが存分にシルスに浴びせられたのだ。 そのある意味、知識を冒涜するような凄惨なリンチはミリアが図書館の職員に止められるまで続くこととなる。 無論の事、セリスはとうの昔にその場から姿を消していた。 「さて、ご主人様がとてつもない馬鹿だと証明できたわけで、その対策を講じなければいけないんだけど何か意見はある?」 蔵書に囲まれたセリスの部屋、そこには『第一回チキチキミリアの馬鹿への対策を語り合う会』と言う垂れ幕が下がっていた。 ちなみに参加者は、セリスの他に当事者のミリアとシルスだけである。 「いや、もう諦めた方がいいと思うぞ」 シルスが即座に無難な意見を口にするが、セリスは無視した。 と言うか先程ミリアの凄惨なリンチを受けてから、それほど間もないというのにシルスの体には傷一つ無いのはある意味異常だ。 「あのね、僕が仕えてるんだよ。この魔王たる僕が、その自覚がご主人様にはないの?」 「な、何よ。頭なんか悪くたっていいじゃない」 「何を言ってるのさっ!! ご主人様はただでさえ、アホで間抜けな顔してるんだから、真空状態の頭蓋骨の中身を多少は埋める努力をしないと、政治の世界に出てからに出て馬鹿にされるよっ!!」 ミリアの反論をセリスは恐ろしく失礼な言葉と共に切り捨てる。 おそらく、三日三晩実り無い授業をさせられた事を根に持っているのだろう。 「僕なりに考えたんだけど、つまり僕は人に物を教えるのに向いてないんだ」 青筋を浮かべる主をないがしろにして、セリスは自分の意見を述べる。 「一応、僕も魔王なんて、数百年に一度ぐらい超高位の魔法使いや魔術師に力を貸したり、知識を与えたりする事があったんだけど、そう言うの存在は正に常識外の天才なわけで――」 そこまで言ってセリスはピシッとミリアに指を突き付けた。 「こんな、大馬鹿者に物事を教える経験なんて皆無だったんだよっ!!」 「それってただ単に、お前に人に物を教える才能が皆無なだけ何じゃないのか?」 拳を握りしめて熱弁を振るうセリスに、シルスは何気なく呟く。 「…………………」 「…………………」 シルスとセリス、二人の視線が数秒無言のまま絡み合う。 「―――そこで提案なんだけど、どこからか家庭教師を招こうと思うんだ」 自分に不都合な沈黙を即座に切り捨て、話を再開したセリスを多少呆れた目で見ながらシルスは問い返した。 「……………家庭教師?」 「そう、ご主人様の教育係で教育の専門家を招こうと思うんだ。候補は、こんな感じで――」 セリスが横から取り出したホワイトボードには複数の名前が書かれていた。 血塗れフローラ、 因果の女王アナヒータ イワシ姫マナ、 揮奏者ディンスレイフ、 死の克服者パルトラ、 怠惰なる賢者エニヒッシ、 屍使いボルグイノス、 無垢なる外道レンピネスク、 魔に魅入られし精霊使いミドルア、 等々、 おおよそ、魔法や科学、錬金術、遺失魔法の分野で有名な者達が、セリスの指し示したホワイトボードに書かれていた。 ただし、指奏者やら屍使いやら、教育者の道どころか人道を踏み外してそうなのがちらほら見受けられたりもするのはどうだろう。 しかし、何よりシルスは思った。 「……………まあ、呼べる呼べないは置いておくとして、この全員が束になっても無駄な気がするのは俺だけか?」 シルスとセリスの二人が顔を見合わせ、同時にミリアを一瞥しこれまた同時に――― 「「………………ふうっ」」 「ケンカ売ってるの? あんた達」 どこか疲れた溜息を吐く二人に、ミリアの怒りは煮立っていく。 「いや、世の中は無情だなと思って――」 「そう言う物だよな」 どこか達観した表情で向かい合い、再び同時に嘆息。 「あ・ん・た・ら・ねぇ」 怒りのボルテージが振り切れ、ミリアは手近にあった灰皿を掴む。 「じゃあ、探してくるしかないか―――」 「探すって、どこに?」 「ちょっと遠出でして王都まで行ってくるよ。あそこの研究施設で頭の良さそうなのを二、三人見繕ってくるよ」 「見繕って来るって、そんな簡単に貸してくれるのかよ」 「お兄ちゃん、何のために僕が麻薬の合成なんかしたと思うのさ」 シルスのもっともな意見に、セリスは肩をすくめた。 「今現在、この領地の財政は表向きは大した変化はないけど、実際には現金はもちろんのこと、証券、多種多様な魔法金属のインゴットが置かれているからね。伯爵レベルの領地ぐらいの財はあるよ」 「それを使うのか?」 セリスが合成した麻薬は、非合法組織を通じて大陸中に輸出され、この領地に巨万の富をもたらした。 書類上は変化していないが、地下の隠し金庫には莫大な資産が眠っている。 ただし、あくまで非合法な財であり、大ぴっらな使い方は出来ない。 「そのためのお金だよ。それと、そろそろ合法な産業に着手しないといけない。弱小領地の財政が潤沢すぎれば、いずれ怪しまれる」 いくら儲けたとしても、使い方に制限のある金はそれほど役に立たないのだ。 しかし、正当な産業を興し発展させ、その儲けの中に非合法な儲けを混ぜ合わせれば、その出所を探るのは困難になる。 「それと、一筆書いてくれる。『この者を代理として技術者の提供を求む』って」 さすがに見た目がヒトの小僧一人が、大金を持っていたら怪しまれてしまう。 「ご主人様、一週間ぐらい留守にするけど―――」 「へ?」 投擲物、(灰皿、猫の置物、文鎮、坪)を掻き集めていたミリアの動きが止まる。 「る、留守にするの」 「そうだよ、寂しい?」 「…………う、うんそうね。とっても寂しいわ」 心の底から嬉しそうに、ミリアは喜色満面で首を振る。 「もう、何、とっても残念よ。貫徹で勉強させられたり、 変な薬の実験台にさせられたりしないから、二度と返ってくるなこの野郎なんて欠片も思っていないわっ!!」 まるでこの世の楽園を見つけたかの如く、ミリアの心は浮き足立っていた。 セリスが居ない日常、変な悪戯も嫌いな勉強もさせられない日々、それを思い浮かべるだけで心が弾む。 「だから凄く悲しいわ。いっそのこと半永久的に帰って来るなとか、何かの事故で記憶を失って全て忘れろとかになったら、凄く嬉しいなって思わないでもない気はしないけど―――」 夢見る乙女の如くミリアはうっとりとした表情になる。 それに対しミリアの一言ごとに、セリスの目が冷ややかになっていく。 「うん、そうだね。でもね、ご主人様」 セリスがミリアの手を取る。 「な、何!?」 今まで下僕に体を触られてろくな事がなかったため、ミリアはあらか様に警戒する。 「そんなに警戒しないでよ。僕も寂しいんだから――」 その時、ミリアは初めて下僕の腕が震えている事に気付いた。 まるで飼い主に見捨てられた子犬のように上目遣いで見上げてくる。 「いや、あの――」 普段の生意気な態度が嘘のようにしおらしい。 顔付きも愛らしく、華奢で小柄な体付きのセリスにそんな表情をされると、誰だって自然と頬が赤くなるだろう。 いや、絶対誰だって――― セリスの背後に居るシルスが深々と嘆息したようだが、そちらにはガラスの灰皿を叩き付けておく。 「そ、そりゃあ、あたしだって多少は―――」 どこか拗ねたように下僕から視線を外し、口の中でもごもご呟く。 「だからね、僕の事を一日も忘れないように課題をタップリ出してあげる」 「…………え?」 「うん、ご主人様が大の苦手にしている、高等数学と物理工学の課題を山ほど出してあげるから、そのカビの生えて発酵しかけの脳味噌に、僕の事を焼き付けてね」 信徒に祝福を与える天使の如く、セリスの顔は慈悲深い。 手に持っているのは死に神の大鎌だが――― 「もちろん、さぼったりしたら、うふふふ」 明言はしないが、その微笑みは正に魔王のように人の不安を煽る物だった。 「と言う訳で、ご主人様死ぬほどがんばってね。いっそのこと死んで、転生し無いと駄目なぐらいの量があるから」 唖然とする主から躊躇いなく手を外し、セリスは笑顔で部屋を出て行く。 「愛してるよ。ご主人様」 ケラケラと笑いながら、セリスは部屋の外に消える。 「…………学習力がないな」 ポツリと呟いたシルスの顔面に、ミリアは猫の置物を投げつけた。
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ちゅういいちびょう、けがいっしょう【注意1秒、毛が一生】[名詞] Aデランス、Aートネイチャ、Lーブ21等、ゲーハー御用達の会社、もとい発毛推進企業が今後提唱するであろうキャッチコピーのひとつ(予告発言)。 ほんの少しの心がけでも、大切な髪の毛を一生モノにするか、粗末にしてハーゲンになるかを左右するものだという格言でもある。
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首蜻蛉 六話 トンボにとって花の蜜は必需品ではなく嗜好品です。トンボの嗜好品が増えた理由は、主に他種の虫と交流し文化を育んだことによります。 猫国の侵攻は、決してトンボに限った話ではありません。他の昆虫集落も『行軍の邪魔』とか『物資補給の都合』とかで蹂躙されたことがあります。 穏便に通したもの、抵抗して蹂躙され辛うじて逃げ延びたもの。あと、ルート上になかったから難を逃れたもの。 『侵攻ルートを捻じ曲げさせた』規模では、ここ「猫の目クレーターのトンボ」最大です。 住処を失った昆虫達の旗印であり、トンボは同じ苦しみを味わった仲間を快く受け止めました。 元々少ない人口の半分を失い、技術者も欠け、重労働者も失い、子育ての手も教育者も足りず、蹂躙されインフラもままならない。 さらに新しい仲間のために新しい環境の整備も必要です。共同作業はいくらでもあります。 ゆえに「昆虫のルツボ」となった「猫の目クレーター」ですが、各種族は友好的に住み分けています。 理由のひとつとして、昆虫は極めて極端な居住空間を好むため、ほとんど生活スペースが被らないこと。 ヒト世界では捕食・被食関係の種族間でも、代替食があること。「殺人は罪」くらいの意識は当然あります。 各種族代表が集い、一種族一票の議会を持つこと。『虫の楽園連合』は『猫の国』が共通の脅威としてあるため、これを維持する必然性があります。 なお昆虫連合の今年の標語は「猫目にカメムシを入れてやれ」です。当然、今年の議長国の発案です。満場一致のストレート可決だったそうです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~けーぶの日記より抜粋~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ チューリップといえば品種改良で花粉や花の蜜がないイメージがありますが、このマンモスチューリップたちは野生種なのか多量の花の蜜を分泌しています。 「まるで池だ…」 分厚い花びらですが、かすかに朝の日差しを吸い込み透き通るようなドームを形成しています。その重みから頭を垂れ、ツボミの口はもはや水平になっています。 「腰まで浸かれるわよ」 花の蜜はその花弁に溜まり、水面は半径十数メートルにもおよび蜜の色はかすかな日差しで淡く輝いていました。 ちゃぷりとご主人様が花の蜜に手をつけ指先のそれをペロペロと舐めます。手首から蜜が伝い腕を濡らしました。 「ん、熟してるわ」 取り出したガラス瓶のフタを開け(こういうときにもハンガースペースは便利です)蜜を掬いとると。 「んじゃ、けーぶ脱いで」 …はあ!? いや、蜜ろーしょんぷれいですかそういうのお好きなんですかまだ僕はじめてなんですけどそういうご趣味なんですかうわーんたべられるー!! 「栄養価が高くって消毒効果もあるからね。アザとかに塗ると効くのよ、てか何で頭抱えてるの?」 「いや、でもおんなのひとに体に蜜を塗ってもらうとか…」 「あーもううるさい!」 ぱこん、と頭をはたかれました。 「…ふえ」 グズりだしてしまった自分を、ご主人様はいつものようにすかさずハグしてくれます。そのまま耳元で、小さく囁きました。 「また、ごめんね」 上半身だけシャツを脱ぎ、腰を下ろすと、ご主人様は背中から少しづつ蜜を塗り、揉み解します。 「こんなにもケガしてたんだね」 ツボミの中は風が入らず暖かいですが、蜜の池からはほんのり冷気が流れてきます。 「あなたくらいの大きさのヤゴの子ならね。模擬弾を不意打ちして、驚きはするけどアザひとつつかないのに」 アカネ様は冷たい蜜を手のひらで伸ばし、温め、やさしくマッサージをしてくれます。 「やっぱりあなたはヒトなのね」 ぬるぬる、ぬるぬると、塗り重ねた蜜を、薄くまんべんなく背中に延ばします。 背骨から円を描き、肩と腰まで手の温もりを帯びた蜜が伸ばされ、なんだかホカホカになってきました。 「むしろ、それでケガしない理由が未だにわからないです」 ぴく、と一瞬だけ手が止まりました。 「なんでそんなに、やわらかい手なのに」 背中を向けたまま、そっと手を伸ばして。 「なんでこんなに、あたたかい手なのに」 肩まできていた手を、そっと掴んで。 「トンボは、ご主人様は、強いんですか?」 背中越しに見たご主人様は、ちょっと赤くて涙ぐんでいました。 「みんなバカ!」 ぺちん。手で頬を叩かれた。勢いで顔が前に戻る。 「わーん!」 すぐ手がでる。でもいつもより優しかったから、痛くはなかった。 ふと気がついたので、僕の横に置かれていたビンひとつをすばやく取り上げ バシャーン! 「むきゃー!!」 「しかえしだー!!」 「なにをするー!」 ご主人様がまけじと蜜の池に飛び込み ドボン! と大きな音を立て、両手一杯の蜜を投げつけてきます。 粘性が高いのでカタマリを両手ですくっては投げつけるカッコウに。 「これでも食らえー!」 「あまーい!」 いつの間にか、二人で笑っていました。 きっと顔が赤かったのは、チューリップの赤だろう。 そんな気がした。 …涙?花粉症じゃない? なんてね。 つづく
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17話 宿禰千恵の憂鬱 さて、困った事になった。 私こと宿禰千恵はいつものようにご主人様に色々された後眠りについたはずなのに。 殺し合いって何よ……最後の一人にならなきゃ生きて帰れないなんて。 首にはご主人様がつけてくれた首輪じゃなくて黒い金属製の首輪がはめられてるし。 しかも、無理に外そうとすれば爆発するという物騒極まり無い物。 ここはどこだろう、いや、分類毎に沢山の本が本棚に収められているし、 多分図書館か何かだろう。私も何度か行った事ある。 電気は点いているから歩くのには困らないけど、寒い。 当たり前か、身に着けてるの首輪と白いニーソと革靴だけだもん。要するに裸ニーソ。 ご主人様の趣味で家ではいつもこの格好なの。 いや、もちろん外出する時は流石に普通の服着てるけど。 別に裸でも恥ずかしくもなんともないけどね。むしろ見られたいぐらい。 傍に黒いデイパックが置かれていた。 拾い上げてテーブル席に座って、デイパックをテーブルの上に置く。 お尻が冷たい。 「私の支給品は……」 チャックを開け、中身を漁る。 地図に、名簿に、コンパス……これが多分基本支給品って奴ね。 あ……これかな。中華包丁と、ノートパソコン? 試しにノートパソコンをその辺の電源に繋いで起動させてみたけれど、 特におかしい所は無かった。 まあとにかく、中華包丁は武器として使えそうね。 名簿には私の知っている名前は無かった。ご主人様はいないみたい。良かった。 だけど少し寂しいかな……。 「これからどうしよう」 この殺し合いで私はどう行動するべきか。 正直、殺し合いなんてしたくないけど、かと言って黙って殺されるのも嫌。 それに、ご主人様の所へ帰りたい。 「……」 殺し合いなんてしたくない、したくないけど。やるしかない。 じゃないと、ご主人様の所へ帰れないから。 【一日目/深夜/D-8図書館】 【宿禰千恵@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]中華包丁 [所持品]基本支給品一式、ノートパソコン [思考・行動] 基本:優勝を目指す。 1:これからまずどうしようか…。 [備考] ※特に無し。 ≪支給品紹介≫ 【中華包丁】 中華料理に用いられる、刃が四角く身幅の大きい万能包丁。 【ノートパソコン】 ユーザーが任意の場所へ持ち運び使用する事を前提として設計された軽量のパソコン。 本ロワに登場する物はシルバーカラーでキーボードの色は黒。 内部に何らかの特殊プログラムが入っている可能性有り。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】宿禰千恵(すくね・ちえ) 【年齢】生成されてから1年(肉体・精神年齢10代後半) 【性別】女 【職業】ペット用人造人間 【性格】主人に忠実、物腰は柔らかい、恥じらいが皆無 【身体的特徴】黒髪の美少女。巨乳でスタイル抜群、 右耳の裏に小さく製造番号が刺青されている 【服装】裸ニーソ(外出時は普通の服を着る) 【趣味】《放送出来ません》 【特技】ご主人様のためなら何でも出来る、身体能力が高め 【経歴】店でなぜか売れ残り1000円で安売りになり泣いていたところ、 現在のご主人に出会う 【備考】とある非合法裏商会の商品・男の欲望を満たすペットとして生み出された 人造人間少女「悦美シリーズ」の一人。「宿禰」は主人の名字で「千恵」は主人に付けて貰った名前。 店頭に並んでいた時は「悦美―10445号」という製造番号で売られていた。 淫乱という訳でも無く実は割と頭も良い 嗤う狼魔――最初の生贄 時系列順 女は狼より強し 嗤う狼魔――最初の生贄 投下順 女は狼より強し ゲーム開始 宿禰千恵 復讐と服従、読みはちょっと似てる